ウツ状態は周りの協力が必要?
ウツ状態に周囲の人の協力が必要かというと、もちろん、必要でしょう。でも、協力以上に必要なのは、周囲の人の了得です。ウツ状態になってしまうと、様々なことが以前とは違ってしまいます。
例えば、腕利きだった人が失敗ばかりしてしまうようになったり、明るかった人が無愛想になったりするでしょう。ですが、それはウツ状態のせいであり、当事者に非はないのです。また、ウツ状態の人は自害願望を持ったり、自害願望など無いのに無意識に地下鉄に飛び込んでしまったりすることがあるので、あまりにも様子がおかしい時には気をつけてあげるなどの配慮は必要になります。でも、他にできることはありません。むしろ、何もしない方がいいのです。相手から話し掛けてきたら話を聞くだけで十分です。
実際、うつ状態の時には話をするのも億劫で大変なのです。「『がんばれ』は禁句」などとよくいいますが、うつの人に対して何かをしなければと考えることが間違っているのです。できれば、ウツ状態の人を責めず、励まさず、旧に復するするのを気長に待ってあげてください。とはいえ、中には誰か(主に恋人)に対する依存心が極端に強くなるケースもあります。そのような場合は、あまり深入りしないようにするのがお互いのためになるでしょう。
腰痛や関節痛のように痛みのある病気でもありませんし、目に見えないですから微妙な問題が残りますが忍耐強く見守るという姿勢が大切な視点となります。
うつ対策のサプリメント
うつ病は、脳内物質(カフェインやギャバも脳内物質の一種です)の不足で起こるといわれています。うつ病の症状(時には説明が難しいですが、できるだけ伝えるようにがんねってみるといいかもしれません)にもよりますが、一般的には脳内物質(正常に分泌が行われないと、深刻な不調が起こります)のセロトニン分泌量が不足すると起きるというのが、最近の定説です。また、ビタミンB1(水溶性で調理中に失われやすいので、注意が必要でしょう)の不足などもうつ病に影響していると考えられています。
ですから、うつ病の薬は、それらの物質を補うよう作られているのです。とはいえ、なかなか自分の症状に合う薬と出会えるとは限らないのが現状でしょう。抗うつ剤と同じような効果を持ち、同じような成分を配合したサプリメントが最近では数多く出回っているでしょう。うつ対策として有効だと思われるサプリメントは大きく分けて、
・セロトニン(神経伝達物質の一つです)やノルアドレナリン、アドレナリン、ドーパミン(脳の深部から分泌されるホルモンの一種です)などを増やす効果が高いサプリメント(効果が期待できる反面、副作用が現れることもあるでしょう)
・セロトニンやノルアドレナリン、アドレナリン、ドーパミンなどの原料となる基本アミノ酸(食事から摂るのが理想ですが、不足しがちであれねサプリメントなどを利用するのもいいでしょう)を含有したサプリメント
・脳の働きを向上させるとされているビタミンB群(全部で八種類あり、いずれも健康の維持には欠かせない栄養素です)を多く含有したサプリメント
・セロトニンなどの脳内物質を運ぶ脳内伝達物質の働きを向上させるといわれているDHA(過?摂取した場合、下痢などの副作用が起こることもあるそうです)が含まれているサプリメント(上手に組み合わせると、相乗効果が得られることもあるようです)
になります。しかし、これらのサプリメント(体質や体調、服用している薬との相性があるので、慎重に選ぶ必要があります)はうつ病の初期段階に、「もしかしてうつ?」と思って使うのには適しているのですが、症状が悪化しているケースでは、まず医師の診断を受けて適切な抗うつ剤を処方してもらうことが重要です。
それに、サプリメントそうはいっても、中には強い副作用(効果が強けれね強いほど、ある程度の覚悟が必要となります)を起こしたり、他の薬剤との併用が危険なものもありますから、使用に当たっては医師に確認するのが望ましいでしょう。
井上俊彦